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[★とある妄想者の日常 九条×アキラ]
*〜曖昧な指先と変態〜
微裏
いつもは乱暴にしか動かない指先も
「……っ…う…」
この時だけは器用に丁寧に動かせる
「…くくっ、もっと声出せ…」
「いや…だ……っあ…」
そんな風に歯を食い縛って堪える姿が、俺を余計に煽ってるとも知らずに
本当にテメェは馬鹿な奴だ
「何が嫌だ…素直なのは身体だけか?ん?」
ズボン越しにでかくなったそれに、触れるか触れないかの距離で焦らせば
悩ましげに寄せられた眉間の皺にキスを落とす
「…ぁ…あ…やだ…っ」
「…くくっ…腰が揺れてんぞ…山口アキラぁ…」
耳に舌を突っ込んで掻き回せば響く水音と、下で跳ねる身体
「…うぁ、あっ…耳…っあ」
「……何だ、耳がイイのか…?」
「違っ…あう…ぁ…」
耳たぶを甘噛みしながら問えば崩れた言葉に気を良くして
引きちぎるようにシャツを左右に開けばボタンが飛んでいくような音がした
「ひう…っ」
怯えたような、どこか熱を秘めたような視線に背中が痺れて
唇を舐めながらコイツの下半身に俺の腰を押し当てれば、瞳を大きく開いて逃げようとよじった身体を押さえ付ける
「…今更どこ行くんだ?え?」
「ひっ…う…九条ぉ…」
「……俺から逃げんじゃねぇよ…」
涙で潤んだ目元に柔らかいキスをして至近距離で見詰め合って
「…テメェも男だろ、覚悟決めて大人しく抱かれやがれ」
脅すように睨んではあやすように深い口付けを繰り返す
「……っ…う…でも…俺っ…」
「ぐだぐだ言ってんじゃねぇよ…もう優しくしねぇぞ…」
往生際の悪い口を更に深く塞いで酸欠にまで持って行けば、苦しそうに俺の胸を叩いて抵抗する泣き顔に
頭が狂う程欲情して
「……くくくっ…煽ってんじゃねぇよ…」
鬱陶しいベルトを片手で外してから直に山口アキラのナニに触れ「おい、黒木」
……………
「黒木、次体育だぞ」
「…はぁ…っ」
溜息と一緒に置かれた俺の右手
黒いシャーペンがノートの上を転がって、目の前で体育着を持つ鷲沢を呆れ顔で睨み付ける
「……お前、一番良い所で…」
「はあ?」
訳がわからないと言った表情と小さな舌打ち
「…そういやお前、最近ノートに何書いてんだ」
「見たいのか」
覗き込まれた刹那閉じたノートに明らかな興味を示した鷲沢に薄く笑いながら
「いや、別にそういう訳じゃ無ぇが…」
「安心しろ、お前には死んでも見せん」
俺の『九条×アキラ専用ノート〜放課後・初めての羞恥プレイ(18禁)〜』書き下ろしアイデア帳は、静かに鞄の中に仕舞われた
あとがき
何処かで響く二つのくしゃみ
「はっくしゅん…!」
「どうしたアキラ、風邪か?」
「…あ、いや…大丈夫」
遠くで響く、ゆらゆら響く
「っくしゅん」
「うおっ、九条がくしゃみとか…お前ホンマに人間やったんや」
「しばくぞテメェ」
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