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・知念side












気づけばお前はいつも

鏡に映る自分を気にしている














顔。















それは、誰がどう見ても違和感を覚えるような仕草

「…………」

まるで怯えたように鏡を見ては、周囲を気にするように俯く頭

「い、伊藤さん……大丈夫ですか」
「大丈夫」

異常だ

「大丈夫だから」

異常なくらい、お前は外見……とりわけ顔に執着している

「…………」

俺のせいだ

俺が昔、お前をそこまで追い詰めるような行為に走らせてしまう程のトラウマを植え付けてしまったんだ

整形して、名前まで変えて、わざわざ就職先にこんな田舎を選んで

「…………」

俺がここの職場を辞めて、土下座でもなんでもして謝れば、お前は俺を許してくれるだろうか

いや、それはきっと一方的な俺の自己満足にしかならないだろう

伊藤を、助けなければ

「……知念さん?」

これは、俺の人生をやり直す大きな分岐点なんだ

「……なんだ」

そう思いつつ、あれだけ俺や周囲に神経質になっている伊藤に、どうやれば近付けるのか

俺には分からないまま時間が流れた




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