PAGE
[19]
会田黒武











夕暮れに染まる公園

「…………」

寂れたベンチ

「……」

進まない修復作業と執筆

「……はあ……」

俯いて、軽く拳を握る

『会田君』

アンタに、支えられていた筈だった

「…………」

なのに、あれだけ文字を書いて生きていくという決意が
押し潰されるように縮んでいく

『あなたには、才能がある』

プロの本を読めば読むほど、自分の作品がいかに素人くさいか
取材が浅いかを突き付けられたような気がして

別に俺が書かなくても、俺に似たような誰かが、似たような話を書くんじゃないかとすら思ってしまう

「……畜生」

ものを生み出すという行為が、ここまで苦しいなんて知らなかった

まだ一作も書けていない俺が、こんな場所で躓いている
本当に才能なんてあるのかすら疑わしい


答えのない世界
正解のない世界

「…………」

俺は、文字を書く前と変わらず



未だにずっと
自分に自信が持てないままでいる


[←前|次→]
[←戻る]